健軍商店街の人びと

キャリカレ

2021年08月10日 10:07

 

です。

 これまでは、ランチのお店一軒一軒について書いてきましたが、今日は健軍商店街のコミュニティのあり方について書いてみたいと思います。

 先日、健軍商店街のラーメン屋に入って、わたしはチャーシュー麺をすすっていました。
 すると、70歳、80歳くらいのおばあちゃんたちが次々と入ってきて、コーヒーを頼みながら、店長と話し込んでいる。「どこのスーパーが今日のセール」「夕方は雨だから洗濯物を取り込まないと」「コロナ後も近場の物件の家賃が高いまま」 とにかくいろんなことを話し込んでいました。

 わたしは、ここがひとつの安全基地のような場所なのだろうと考えていました。家庭での愚痴を、ラーメン屋の仲間内で共有して、そこがひとつのたまり場のようになって、わいわい楽しんでいる。こういうコミュニティが人びとの心を支えてくれているのだなと思ったのです。

 翌日には、お隣の食堂にもお邪魔して、トンカツ定食を頼みました。店に入ると、酔っぱらったお客さんが小声で歌を歌っていました。そのつきそいの女性が、わたしに「トンカツ定食を頼みなさいよ。ここおいしいわよ」と教えてくれたのです。わたしは言われるがままにトンカツ定食を頼み、すごい量をたいらげてしまった。

 店にはがたくさん売ってありました。記念写真とともに壺が飾られていて、ここまで集めるには根気がいるだろうと思いました。それからお客さんの仲間がわらわらと集まってきたところで、わたしは店を出ました。

 その二つのお店から少し離れた小さなお店にも何度か行ったことがあります。ランチが最近値上がりしたようだけど、サバ定食の味はすこぶる美味しいから問題ない。いつものように食事をしていると、常連のお客さんが来たようで、「今日は元気か」「寝ぐせついてるぞ」と店長と声をかけあっているところでした。店長はまだ若くて、たくましそうな男性です。

 健軍商店街は、コミュニティが温かい。経済的利益の追求とか食欲を満たすというだけではなくて、そこでの人間的なつながり、ともに気遣いあうという人間関係が成立していて、健軍商店街は温かい。そんなことを思いました。

 わたしたちはワードハウス・ミズという会社に施設外就労していて、ここが健軍商店街に距離的に近い場所にあります。昼にランチしにいくのにとても便利な場所にあるのです。

 健軍商店街で新しくお店をひらく人が増えたらいいなと思います。そして、互いに支え合うコミュニティづくりに参加していただけたら、これほどうれしいことはないでしょう。

 2016年4月の熊本地震から5年が経ちました。わたしたちは失ったものもたくさんありますが、お互いに支え合う関係までは壊れなかったのです。これまでも、これからも、支え合って生きていきたいものです。

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